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「母ちゃん…今 お腹が動いた…」



「えっ?あぁ それは胎動っていって…



今までも 動いてたでしょ…?」



私は 首を傾け



「わからなかった…


胎動?」



「きっと、赤ちゃんが泣くなって お腹を蹴ってるんだよ…」



私は改めて 自分のお腹に赤ちゃんが本当にいる事を再確認した。



自然と手が

お腹を 擦っていた。




その日から泣く事はしなくなったが



それでも



駿を忘れる日はなく



桜が咲き始め



そろそろ 出産間近に



不安と楽しみが複雑に感じていた。




春休みだったので



姉の優香から電話がかかってきた。



『紗香、大丈夫?母ちゃんに 紗香の所 行きたいって言っても


連れてってくれないから…』



母が優香を連れて来れないのは



お腹がまた一段と大きくなってるので


会わせたら 私が妊娠してる事を知る事になるからと思った。



「大丈夫…それより…駿…転校した?」




私はやはり 駿の事が気になり



思わず 優香に駿の事を尋ねた。




『えっ?紗香…連絡取ってないの?



転校したよ…びっくり…



紗香が病気療養したって聞いた後…



2日後かな?



突然 転校したんだよ…



二人が居ないから


周りでは


色んな噂になってたけど…



でも…普通 転校するにしても



新学期からだよね…



でも?何で?紗香が知らないの?』




優香の問いかけよりも



駿が本当に転校した事にショックを受けていた。



『紗香?紗香っ?』



優香が何度も電話の向こうで呼んでる時



突然、お腹に差し込むような強い痛みがはしった。




「痛っ」




『紗香っ 紗香っ…』



「ごめん…優香…母ちゃんに…痛いっ…」



『分かった!母ちゃんに言ってくる…電話切るよ…』



電話を切り伯母の所へお腹を押さえなが向かった。




「陣痛始まったね…でも…



まだ時間かかりそうだから



紗ちゃん 今のうち体力つける為に何か食べとくんだよ…



大丈夫…心配しなくても…」




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