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母は今度は私の方を見て真剣な顔で私に言った。
「赤ちゃんは生きてる…見て分かっただろう…
母ちゃん…見殺しには出来ない…
だけど…紗香 あんたはまだ、中学生…来年は受験だし…
駿も同じだろ…
出産って大変だけど
それは紗香…あんたが若くして このような事をした罰として
痛みも我慢して産んで…
後は…母ちゃんが赤ちゃんを 自分の子として しっかり育てるから
紗香はこれからの未来の為に 進めば良いから…駿の両親にも 話しにも行くし…」
「和さん、まだ…私、承諾してないよ…」
伯母は困った表情で
母に言った。
「あっ、そう…やっぱり父ちゃんの血だけじゃ…血が薄いのかね…
普通はこんな事態になったら
助けてくれるはずなのに…」
母親の言ってる事を私は 何を言ってるのか意味が解らなかったが
伯母はその意味が解ったのか
「和さん、そんな言い方…私は今まで…
まぁ…解ったよ…
和さん、紗ちゃん…
本当 大変な事態だから
協力するけど
協力するからには
中途半端な気持ちで
出産や子育てしないでよ!」
母は伯母の言葉に
先程とは打って代わり
また伯母の手を握り
「弘美、ありがとう
本当にこの恩は忘れない よ...
あんたと姉妹で本当に良かった…
本当、ありがとう。
紗香、あんたもちゃんと 弘美おばさんに
お願いしますって言いなさい。」
私は母の言葉に流されながら
伯母にお願いしますと言い頭を下げた。
「これからが…大変ね…
学校とか…
相手の人の両親にも
話さなきゃならないだろうし…」
伯母の言葉に
また母の顔色が変わった。
「取り合えず…今から
相手の所へ行って来るから
紗香をちょっと ここで…預かって…」
「まぁ、どっちにしても 出産間近だし…
学校へは 病気療養で長期休学届け出して
産まれるまで 私が預かってもいいよ…」
「弘美…
ありがとう…」




