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第十六話

正月だからか分かりませんが筆が進むので投稿します。たいして話が進まないだと…! 2000しか書いてませんしね。しかたないです。

「一度爺様たちのところに戻っていい?」


「ん、いいけど俺も行っていいか? 元は道迷ってたわけだし、君がいないと困る」


するとなぜか顔を赤らめてそっぽを向かれた。


「別にいいけど君、じゃなくてリーフィアって呼んで。さっ、行きましょう」






「そうですかリーフィア様、ええ、私たちが言えることはありませんがまたフリーシア姫と仲良く過ごして頂けることを切に祈っています。どうかご無事で」


「ありがとうお爺様。それでは、行きましょうシュウ」


「おう」


「君は…」


リーフィアの世話をしていたらしい老夫婦にじっと見つめられ、


「はい?」


「彼に似ているね」


「? えっと…」


リーフィアと一緒に首を傾げる。


「いや、何でもない。リーフィア様をよろしく頼む」


「はい」


しっかりと頷く。いつのまにか雨が止み、元の世界では見れない綺麗な星空を見ながら歩き始めた。



…二時間後…



「ああ、くそったれ!どんだけ遠いんだよ!」


走っていた。そりゃあ遠いだろうけどさ…


「あたりまえでしょ?そんな近くに幽閉してる訳ないじゃない」


フードを被ったままのリーフィアに突っ込まれる。


「…ん、やっとか…」


木々の隙間から城の光が見えてくる。さて、どう説明すればいいんだ…。よく考えれば四年前の謀反の主犯格を連れてきているのだ。俺も疑われるような気がする。


「本当に大丈夫かな…」


心配そうな声で言うリーフィア。ぶっちゃけ俺もとても不安です…。


「あっ、ナーシャ…」


城の城壁近くに彼女がいた。どうするかどう説明するか…。思いつかないまま彼女の近くによると、ナーシャが慌てたように、


「シュウ!手伝ってくれ!また姫が城の外に出てしまった」


「…は?」


とんでもないことをのたまいやがった。えっ何?そんなにお転婆でしたか?


「おう、わ、わかった。どこらへんを探せばいい?」


「あっちの城の側面の森を探してくれ。…それで、その子は?」


「あー、後で説明する。じゃ、行くから」


「わかった!」


そういってナーシャと別れる。そりゃあ姫さんがいなくなれば俺程度気にも留めないよな…。あたりを見れば確かに松明の光が所々に見える。すぐに森の中へ向かおうとしたとき、リーフィアに止められた。


「待って、姉さまを探すんでしょ?」


「ん、そうだろうけど?」


「なら、ナーシャも知らない場所を知っているわ。そこにいるかもしれない」


「ん、わかった。そこを教えてくれ」


うなずいて前を歩くリーフィアについて行くと、


「ここよ」


「…え?」


連れてこられ、指をさされたのは城の裏側の海に面した崖。勿論どこを見てもフリーシアはいない。


「…いないけど?」


「ここじゃなくて下よ。崖の下」


「はっ?」


慌てて崖に近寄り、遥か下を覗く。すると、少しだけだが砂浜があった。きっとこの世界にあるか分からないが干潮の時だけ出てくるのだろう。よく目を凝らして見れば確かに人影が見える。


「いたぞ」


「わかったけど、どうしてここから下まで見えるの?」


「見えるから」


「………」


ええい!そんな珍獣を見るような目つきをやめるんだ!


「けどどうやって下まで行くんだ? こんなんだし階段どころか梯子もないだろ?」


「そんなの決まってるじゃない。ここをこのまま降りるのよ?」


「………」


「立ち会ってくれるんでしょ? 行きましょう」


そう言って飛び降りた。怖くないのかよ…。崖を覗いてみると崖から生えている細い枝や、岩を足場にしてどんどん降りていく。運動神経いいな…。


「まあ、約束だしな…!っと!」


リーフィアが降りて行ったところを正確に降りていく。降りる時は怖かったが体が軽いおかげで楽に降りれる。ホントチートだなこの体…。崖を降りきるとフリーシアとリーフィアが向かい合っていた。


「姉様…」


「リーフィア、なの?」


この場所がばれたことよりもそちらの方におどろいたようでじっとリーフィアを見ている。するとリーフィアがフードを外した。


煌めく金髪、その長い髪を頭の側面で二つに分けている。所謂金髪ロングツインテールだった。髪の色は違うものの顔はやはり血が繋がっているのかフリーシアと同じくらい可愛い。


「どうして…」


「ごめんなさい!父様、母様を殺してしまって!ましてやフレニカさんすらこの手で殺してしまった…。この罪は無くすことはできない。けど…!」


「リーフィア…」


そっと立ち上がり、リーフィアに近づくフリーシア。ビクッと俯いて肩を縮こませるリーフィア。けれど彼女の答えは非難でも糾弾でもなかった。


「いいの、私も何も言うことはできなかったけど、それでもあなたと話し合って仲直りしたかったの。だからこれからは一緒にいて…」


「姉様…」


ひしと抱き合う二人を安心して眺めながら、ふと思った。




………俺、要らなかったんじゃね?






感想を頂ければ幸いです。


Vita買ったので次の投稿は遅くなるかもしれません。

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