表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

物書の短編シリーズ

親愛なる相棒の墓標に花束を

作者: 物書 翠
掲載日:2026/02/24

———崖の上には一つの墓標が立っていた。


すぐ下にある浜辺の波の音がよく聴こえる。


その墓標には“名もなき旅人此処に眠る“と刻まれている。


そこにある男が花束を持ってやって来た。


男は花束を墓標の前に置くと煙草に火を点ける。


男は座り、煙草を吸った後に口を開いた。


「———ふーっ。


…お前が居なくなって結構経ったよな。


こっちも色々あってさ。


強敵と戦ったりとか、いろんな依頼こなしたりとかさ。


お前と一緒にいた時はうまいもん食ったりとか、同じ女に言い寄ったりとかしたりさ。


だからまたお前の所に来てまた色々話せてよかったよ。


そうだ、今日はお土産があるんだぜ。」


男はそう云って懐から取り出した酒を開け、墓標に掛けた。


「この酒、お前が好きな酒だったよな。


ちょうど醸造してる村に寄ってさ。


俺と一緒に呑もうぜ。」


男はそう云って瓶に残った酒を飲む。


「やっぱ酒と言ったらこの味だよな。


『おい。』


…なあ、相棒。」


『いつまでこんな茶番やってるつもりだ?


オレの相棒としてどうなんだよ?』


「…まあー悪巫山戯はこれぐらいにしとくかー」


そうやって立ち上がった男は振り返り、半透明の相棒に目をやる。


男の相棒は2年前に依頼途中で死んだ。


男は禁忌の術を使い、精神体だけをこの世界に繋ぎ止めたのだ。


『いつもこの茶番するよな。』


「折角近くに来たんだしいいだろ。」


『自分の墓の前で毎回茶番される身にもなってくれよ…』


「悪りぃ悪りぃ」


『全く…どうだか。』


二人の旅はまだまだ続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ