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本心です

 おっと、想像とは違うベクトルに進んだぞ。怖いのかと思ったら、いやある意味怖いけど、ぽっちゃりだからそう怖くないというか。でも闇的なものがすごく感じる。


「それではごゆっくりどうぞ」


 セリさんが退室した。


 待って、退室しちゃうの? メイドさんって常にいてくれるんものじゃないんだ?


 新婚さんだから気を利かせてくれたのかな。そういうのは正直いらなかった。


「お忙しいところ恐れ入ります。お初にお目にかかります、アリア・ラケウスです。これからどうぞお世話になります」


 精いっぱいの笑顔でドレスを広げながらお辞儀する。ライン様の目がかっぴらいた。ドライアイになるよ。


「……どうせ、貴方も私を醜いと思っているんだろう」

「そのようなことは御座いません」


 一瞬何言っているのか分からなかったけど、誤解の無いように答えておく。


 醜いって何。何も思ってないんだけど。私の顔を見て判断したってこと? 美少女だからって自動で美男子選んだりしないけど。むしろ、ぽっちゃりして目が死んでるだけでポテンシャル高そうって思ったけど。


 待って、今、「も」って言ったよね。ということは過去に言われたことがあるんだ、多分。だから、そういう思考に……。


「う……ッ」


 ライン様の過去を想像して幼児期にメイドさんから雑に扱われたところまで来て泣いてしまった。ごめんなさい、架空の意地悪メイドさん。きっとここのメイドさんたちは皆さん良い人なはず!


「私の負のオーラに当てられたのか……!?」


 わッライン様が私の行動で傷ついちゃった。やばいやばい。


「違うのです。ライン様が他の方から冷たくされているのではと、私が勝手に勘違いしてしまっただけなので」

「私の為に泣いているのか?」

「ええと、そうというか違うというか」


 どばッ。


「おえぁッ!?」


 すると今度はライン様から大量の涙が溢れ出た。


 わーわーどうしよう!


「あの、これでお拭きになってください」


 ハンカチを渡してみる。どうだ、正解か……?


 素直に受け取ってくれたライン様はハンカチを見つめ、仕舞った。仕舞った!? そこは拭いて頂きたかったです。


「ありがとう。貴方は私のことを醜いと言わないのだな」

「ライン様は醜くないです」


「…………本当か?」

「本当です!」

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