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王宮での評価

 冷酷皇子で誰にでも冷たいから気を付けるようにってパパとママも口酸っぱく言っていたのに。王宮の評価も良くはないけど、冷酷と暗いではだいぶ表現が違う。


 もしかして、場所によって評価が分かれているってこと?


 なんでそんなことになっているんだろう。ライン様は場所によって態度を使い分けられる程器用には見えないのに。


 まさか、誰かが裏で操っているとか……。


「エルーダ、こっち手伝って」

「あ、呼ばれちゃった。じゃあね」

「はい」


 エルーダさんが颯爽と去っていった。なんか格好良い人だったな。また会えたらいいけど、この恰好じゃない限りは話すのは無理か。


 とりあえず掃除を続ける。せっかく時間をもらったし、きりの良いところまで掃除しちゃおう。


「今朝、ライン様にお会いしたの」

「あら~じゃあ、今日は運悪いかもね。気を付けて」

「うん」


 近くで掃除をする人たちの会話が聞こえてきた。これ、ライン様に会うと運が悪くなるってこと? ライン様占い扱い? それとも疫病神的な?


 彼女たちの態度からして、やっぱり冷酷とか怖がられていはいなさそうだけど、腫れ物扱いされているのは分かった。結局好かれているわけじゃないのね。


「ふう」


 廊下の掃除が一段落したので、雑巾を洗ってバケツの端にかけてその場を離れる。これだけでも結構な運動になった。メイドさん、毎日綺麗にしてくださって有難う御座います。


 そろそろ変身を解かないといけない。メイドからお飾り妃へ。いつかお飾りじゃなくて国の役に立つ妃になるぞ。


「……ひぇっ」


 部屋に戻ろうとしたらライン様が歩いてきた。嘘やん、すごいタイミング。


 眼鏡までして変装完璧だと思うけど、念のため俯きがちに会釈をして通り過ぎる。


「……待て」

「……はぃ」


 なになに、一介のメイドに話しかけないでいただけませんか。びくびくしながら立ち止まって振り返る。ライン様が怪訝な顔で私を見つめてきた。早く部屋に戻らせてくださぁい!


「アリア……か?」


 大正解です。

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