美少女万歳
「問題はロウ様たちやんな」
夕食を終え、本を読みながら考える。
ロウ様とは食事以外で会話したことがないから、初対面のあれは気のせいだったかもしれないと思いたかったけど、こうして数回食事をして理解した。
あれ、全然気のせいじゃなかった。
あからさまな暴言は吐かないけど、言葉の端々にほんの少し毒を感じる。ライン様が何も言い返さないからだろうなぁ。優しいから。でも、優しさを勘違いしてつけ上がる人っている。きっと、自分が上の方がふさわしいと思っている。
ライン様が第一皇子ってところが一番気に入らないんだろう。もしかして、次期王の座を狙っている?
「弟なんやし、ライン様も言い返せられればええけど」
と言えるのは外野だからか。あの自分を卑下する感じ、根っこが相当深いんだと思う。子どもの頃に何かあったのかな。会ったばかりの私には知る由もないけど、知らないからこそ気軽にいられる関係になれるかもしれない。
そういえば、ロウ様には他に婚約者っているのかな。ライン様は私だけだった。他の人が良い人だといいけど、会える機会はなかなか無さそう。
ぐるぐる考え始めると落ち着かなくて寝られなさそうなので、ストレッチをすることにした。
腰に手を当てて足を左右に動かす。これは足を細くするストレッチ。
次に、ベッドにあおむけで寝転がり、足を少し開いた状態で腰を上げる。これはお腹ぽっこりを解消する。
前世でこんなのこれでもかというくらいやってきたからね。顔が地味だから、せめて少しでもスタイル良くしたくて。
今は生まれつき美少女だけど、それに見合うスタイルを維持していきたい。いちおうサーナイト国の妃になったんだから、ライン様が満足する見た目でいたい。
そういえば、ライン様って私のことどう想っているんだろう。この見た目を気に入ってくれているのか、聞いたことないからな。あれだけ優しくしてくれるから多分好かれているとは思うけど。
でも、さすがに「私の見た目好きですか」なんて聞けるわけないや。まあ、私は私の見た目好きだけど。美少女だから鏡見るの楽しい。美少女だから髪の毛いじるのも楽しい。どんな髪型も似合うとか最強過ぎる。




