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突然の結婚

 私、もうすぐ結婚なんだ? 見た目成人したか分からないくらいなのに。早いのかこのくらいが当たり前の世界なのかめっちゃ童顔か。


 ええ……結婚やだなぁ。まだ今日転生に気付いたばっかりなのに知らない人のところに行くとか。


「さすがお嬢様、お優しい。そんな貴方様があのような皇子の元に……ううッ」


 そのまま話し続けると泣いちゃうと思ったのか、話すことを止めて髪の毛のセットに専念するメイドさん。


 待って。待って待って、続き話して? あのような言われたら気になり過ぎてそれしか考えられなくなっちゃうんですが。


 ていうか、皇子。相手皇子なんだ? 私、良いとこのお嬢様なんだ。やっば。でも、あのようなって言われる皇子に嫁がされちゃう私。やっば。


「あの」

「お支度整いました。さあ、行きましょう」

「あ、はぃ」


 結局、皇子がどんな人なのか分からないまま、私はメイドさんに連れられてアホみたいな広い部屋にたどり着いた。これあれだわ、食事する広間だわ。ひっろ。


「アリア、おはよう」

「お早う御座います」


 なんか無駄にダンディなボイス響かせたおじさまに声をかけられる。多分パパ。隣に女の人がいるからあれご多分ママ。ママ美人、パパやるやん。


 食事マナー分からぬピンチって思ったけど、食べ始めたらすんなりいけた。あれだ、体が覚えてるってやつだ。


 そういえば、私の隣の席が空いてるんだけど誰か来るのかな。


「調子はどうかな。具合が悪かったりは?」

「問題ありません」

「そうか」


 なんかパパ凹んじゃった。娘が元気なら嬉しいと思うんだけど。


「具合が悪ければ結婚を先延ばしに出来ると思ったんだが」


 それを聞いて絶望した。


 えっと、そんなに皇子ヤバイ感じですか……?


 私結婚して生きていられるかな。初日に殺されたりしない?


「お父様はどのようなところが心配なのですか?」


 不安気に聞いてみると、パパが眉を顰めて怖い顔をした。


「まあ見た目は置いておいて、とにかく中身だ。いくら妃になるとはいえ、良い待遇を与えられるか分からない」


 なるほど、中身がとにかくヤバいと。見た目は置いておくってことはぎり許せるってことかな?


「アリア、戻りたくなったらいつでも戻ってきてね。ドレスの中にナイフと毒薬仕込んでおく? 魔法弾もあるわよ?」


「お気持ちだけ受け取っておきます」


 ママ、めちゃ強い人だった。


 というか、魔法、あるんだ?


 魔法の世界線なんだ?


 いやっほぉうううう!! 一度でいいから使ってみたかったんだよね、魔法。空飛べたりするのかな。魔法弾って魔法の爆弾ってことかな。ママ、やっば。


 あれ、でも、私って魔法使える系なのか分からない。魔法が存在するって言っても全人類使えるわけじゃないだろうし。もし使えないんだったら、独学で学んでマスターしよ。どうせ、怖い皇子の元に嫁いで外も自由に出られなくなるだろうし。


 よし、目的が出来たらちょっと楽しくなってきた。どんと来い、結婚。お飾り妃にでも何でもなってやる。

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