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授業

 一時間程で絵本講座が終わり、続いて簡単な本が渡された。小学校の教科書みたいなやつ。結構文字が多いけど、読んでみるとアリアの以前の記憶が脳内にあるからかするする頭に入っていった。


 これならアホな子だと烙印を押されなくて済みそう。冷酷第一皇子の妃がアホな子はさすがに王宮的にまずいもんね。下手したら追い出されそう。


 それは絶対避けなくちゃ。せっかくお父様は公爵の地位にいるのに、出戻り長女が原因で降格なんてあったら大変だ。


──うう……目が滑る。


 先生は高圧的じゃないし中身もまだ難しくない。でも、長時間の勉強が久々で目がしぱしぱしてきた。体が勉強を拒否して眠くもなってきたし。


「そろそろお昼ですね。休憩にしましょう」

「有難う御座いました」


 やっった……これ以上やってたら集中力落ちて注意されてたかもしれない。シュリオ先生にお礼を言い、廊下まで見送る。


 丁寧な口調とは裏腹に、袖から覗く逞しい腕を振ってシュリオ先生が帰っていった。うーん、素晴らしい。


 家庭教師というより騎士団隊長みたいな強さを感じる。自分の体くらいある剣振り回せそう。


「ライン様もあれくらい高ければ自信が持てるのかな」


 そうは言っても、ライン様だって背は平均以上はあると思う。だから、やっぱり気の持ちような気がする。


 それに冷酷って噂があるだけで、さすがに王宮の全員から嫌われているわけじゃないだろうから、味方が見つかるといいな。


 本当はロウ様が味方だったら一番良いんだけど。


「お昼で御座います」

「わ、はい。今行きます」


 ドアの近くに立っていたから、急なセリさんにびっくりしてしまった。慌てないよう、ゆっくりした動作で部屋を出る。今日は一人で昼食か。こんな日も多くあるんだろう。ちょっと寂しいけど慣れていかなくちゃ。


「お待ちしておりました」


 食事の間に行くと、さっき別れたシュリオ先生がいた。何でも、食事のマナーチェックらしい。いきなりだと緊張するんですけど……!

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