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家庭教師

「お早う御座います」


 翌朝、真顔のセリさんが朝のお迎えに来てくれた。この顔保つの疲れないのかな。私だったら数秒で笑っちゃいそう。でもきっと、セリさんにとっては真顔の方が自然なんだろうな。人それぞれってね。


 今日はライン様もロウ様も王宮を出るらしく、ライン様のダイエットは夜帰ってきてからすることになった。それまで時間があるから図書館に引きこもろう。


「本日は先生がお見えの予定です」


 そんな私の目論見はあっけなく崩れた。


 先生って、あれだよね。妃教育とか、単純に勉強とか、マナーとか。とりあえず何かしらの授業を受けないといけないらしい。


 あと一時間もせずいらっしゃるらしい。無駄に震えちゃう。


 いちおう貴族の娘だけど、どこまで妃的な勉強についていかれるのかさっぱり分からない。そもそも、私の頭が良いのか悪いのかも分からない。


「先生がいらっしゃいました」

「どうぞ」


 悩んでいるうちに先生が来てしまった。私はぎょっとした。


「アリア妃、お初にお目にかかります。私、王宮付き家庭教師のシュリオ・ルスと申します。以後お見知りおきを」

「アリア・サーナイトです。こちらこそ宜しくお願い致します」


 クルクル巻き髪の金髪美女、ただし身長は二メートル超え。ど、どちらかな。名前でも判断出来ないや。まあいっか。


「それでは始めさせて頂きます」

「はい」


 どんな難しい勉強を強いられるのかどきどきしていたら、シュリオ先生に絵本を渡された。


「絵本ですね」

「はい、絵本です」


 なるほど?


 よほど私の目が点になっていたのか、先生が丁寧に説明をしてくれた。


「これは幼児向けの本ですが、我がサーナイト国の歴史が分かりやすく描かれています。アリア様がご存知のものばかりかと存じますが、間違いのないよう、一つずつ復習して学んでいきましょう」


「はい。よろしくお願いします」


 なるほど、合点。


 初日の授業は絵本の朗読から始まった。絵があるけど、文字も意外とある。そして、アリアとして遠い記憶にはあるものの細部まで分からない状況のため、私にとってかなりためになるものだった。

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