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一日目終了

 夕食が終わりそそくさ出ていくライン様の後を追う。話しかけるとさらに淀んだ瞳で振り向かれた。いっぱい食べて眠いのかな。


「あの、これ私が考えたメニューです。お時間がある時にご覧になってください」


 二人の秘密にした方がよさそうなので、小さく折った紙をこっそり渡す。ライン様が戸惑いながらも受け取ってくれた。よかった。機嫌は悪くなさそう。


「それではごきげんよう。良い夢を」

「ああ」


 スキップしないよう落ち着いた足取りで廊下を歩く。

 まだ一日しか経っていないのに濃い時間を過ごしたなぁ。明日からも頑張ろう。


「ふい~~」


 部屋着の軽めのドレスに着替えさせてもらい、セリさんと別れた私はベッドにごろんと寝転んで大の字になった。こんな恰好、この世界の誰にも見せられない。お妃様って大変だな。


 右手でお腹をさする。王族は健康管理的に食事制限があると思っていたけど、沢山料理が出た。あれを毎回完食していたら太っちゃうかも。


「はッ美味し過ぎるから、ライン様もふくよかに……? いや、ロウ様はスマートだから、単純に食べるのが好きなのか」


 食べるのが好きって良いことだと思う。健康体重の範囲ならぽっちゃりでもいいと思う。


 でも、それを超えたら病気になりやすくなるから、やっぱり限度は必要。


 ライン様の今はすぐ病気になるとは考えにくいけど、もう少しスマートになった方が自信が持てそうだし、周りの目も変わるはず。


「多分こんな感じかな~」


 新しい紙に痩せたライン様を描いてみる。やばい、これもしかして気持ち悪いことかもしれない。恥ずかしくなって、紙を引き出しに仕舞い込んだ。


「勉強でもしよ」


 きっとスマホが無くて暇だからライン様のことばかり考えちゃうんだ。まずは自分のことから。魔法書の二冊目を読み進める。


 これは水魔法が詳しく書かれた本だった。明日は二冊返して新しい本を借りてこよう。火魔法と生活魔法について書かれたものがいいな。


「明日も楽しくなりますように」

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