表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

スキル入手 クズ 動きます。

剣と魔法の世界

そんな今となってはありがちな世界でギールは生まれた。

不運にも、彼はすくすくと成長した。

後の彼の被害者は、このことを一生嘆くだろう。


この世界では、15歳の誕生日を迎えると皆教会で祝福を受ける。それによって、ほとんどの子供たちは一人一つスキルを手に入れる。


スキルには<鍛冶>や<収納>などの生活や就職に役立つものと、

スキル<剣士>やスキル<魔導士>など、戦闘の際に役立つスキルとがあり、ちょうど半々くらいの割合で分かれている。


また、スキル<剣士>といっても、人それぞれ異なる性能をしており、剣を使った攻撃に元の攻撃の10%分、追加ダメージが入るものや、斬撃を飛ばせるようになるものなど、その性能は多種多様だ。


稀に、<剣豪>や<大魔道士>など、普通のスキルよりも強力な性能を誇るスキルが現れる。所謂レアスキルだ。

転生者や転移者などはこのレアスキルを確実に保持している。そのため、彼らはこの世界で一般的に認知されており、チート持ちなどと言われている。


さて、我らが主人公ギール君はと言うと、何故か自身が最も良いスキルを手に入れるのだと確信していた。


彼には根拠のない自信があった。

自分が他人に劣っている筈がないという自負があった

そして何より、腐り切った心があった。


そんな彼からすると、自身が最も優れているのは当然で、無論、誰よりも素晴らしいスキルを手に入れるのは必然であった。


しかし、そんな彼の驕りは無惨にも打ち砕かれることとなる。


彼の前に並んでいた者―どこか大人びていて、何故かいつも死ぬ気で鍛錬していた彼女が、祝福を受けると同時に、眩い光に覆われた。レアスキルだ


神父は喜びに満ちた顔で、高らかに宣言した。


「スキル<勇者>です!」



スキル<勇者>ーーーそれはこの世界における伝説のレアスキルである。


今までスキル<勇者>を持つ者は、その誰もが、歴史に名を残すほどの偉業を成し遂げてきた。

皆一度はスキル<勇者>を持つ自分を夢見る。

それほどまでに高名なスキルなのだ。



教会内に、どっと歓声が沸き起こった。

当然だ。伝説のスキルが現れたのだから。

当の彼ー勇者の少年は驚きの表情を見せながらも、誇らしげな顔で、堂々と胸を張っていた。その姿に、観衆はさらに熱狂した。


そんなお祭りムードの中、ギールは今まで感じたことのないほどの屈辱と怒りに襲われていた。


(俺が人より劣っている…?そんなこと、あっていい筈がないだろうが。)


彼は許せなかった。。たとえ相手が勇者だとしても、彼の異常なまでの自尊心は、自分が相手より下だということを認めなかった。


そんなギールの憤怒が呼び寄せてしまったのだろう。


ギールもまた、祝福を受けると同時に、眩い光に包まれた。


神父は高らかに宣言した。


「スキル<極悪人>です!」


彼は受け取ったそのスキルの効果を知り、感動に打ち震えた。これなら、俺が勇者になれると。


周りは2人目のレアスキル獲得者に大喜びしていたようだが、そんな音は彼の耳には入らなかった。


彼は自分より優れているものは許さない。

また、人より劣っている自分も許さない。

彼は人より上に立つことに関しては、かなり精力的だった。


その点においては彼はまさに勇者なのだろう。


ただし、忘れてはならないのは、彼は勇者である前に、ゴミ野郎だということだ。





―スキル<極悪人>―


自身に完全に屈服、心酔した者のスキルを奪い取り、自身のものにすることができる。


また、相手の屈服度、心酔度を%で表示することができる。




ちなみに、スキルを寄越せと尋ねるのに意味はない。

完全にギールの趣味である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ