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お題シリーズ3

人間に成り代わった影

作者: 仲仁へび
掲載日:2022/05/20



 強い光があたって、影が薄くなる。


 そこは光の強い場所だったから。


 罪びと達が表を歩けないように、いつも明るくしている場所だったから。


 罪びとだけでなく、暗いものまで存在できなくなってしまった。


 影は、光が強い場所では存在できない。


 それは影が影だからである。


 本体がないと、存在できないからである。


 本体が光に当たる事で、影はうまれるのだから。


 本体が光に当たり、光のあたらぬ場所が発生する事で、影がうまれるのだから。


 だから影は、まんべんなく光の強い場所では存在できない。


 本体があらゆる角度から光で照られされたのなら、存在できなくなってしまう。


 影はその事態を恐れていた。


 いつ本体がその場所にいってしまうのか、気が気ではなかった。


 影は一度消えたら、次に出現する影は別の影になる。


 同じ思考、同じ感情を持つとしても、一度一つの影は死んでしまう。


 どんなに同じに見えても違うから、そこにいる影は唯一無二の影だった。


 思いつめた影は、いっそのこと、自分から消えられたらいいのにと考えた事があった。


 けれど、自分では行動できないから。


 影はどうやっても、自分で消える事ができないから。


 存在の出現と消失を本体に任せる事しかできない。


 大切な事を自分で決める事ができない。


 だから影の不安はとても大きくなった。


 自分で自分の事を決められるものたちがとても羨ましいと妬み、憎むようになった。


 そうしたら、影の色は濃くなり、強くなっていった。


 そうすると、普段できない事がだんだんできるようになってきた。


 本体の行動に反して、少しだけ自分で動けるようになった。


 やがて影は本体と入れ替わろうと考える。


 幸運にもその方法があったからだ。


 調べる事ができたからだ。


 影は長い時間をかけて入念な準備行った。


 そして、ついにその日がやってきて、とある方法を行った影は本体と入れ替わった。


 影は喜んだ。


 これで消失におびえる苦しみから解放されたと。


 しかし。


 影は本体としての生き方を知らなかったから、本体として生きられなかった。


 影は他の多くの本体たちから異物として、排斥されてしまった。



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