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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅱ  作者: 椎家 友妻
第四話 紳士クンと彼女のお悩み
98/124

30 兄の乱入

 部屋の外から、

 「ちょ、ちょっと待ちなさい!まだ入っちゃ駄目よ!」

 という撫子の声がしたかと思うと、

次の瞬間部屋のドアがバン!と開け放たれ、

そこから静香の双子の兄の色雄が現れた。

そしてその傍らには、あちゃ~っという感じで頭をかく撫子の姿。

部屋の外で静香の話を聞いている最中に、色雄が帰って来たのだろう。

 そんな色雄は「静香!」と声を上げ、

一目散に静香の元に駆け寄り、そのままガバッと抱きついた。

そして静香に頬ずりをしながらこう言った。

 「静香、ゴメン!

俺、お前が俺の元カノに死ねなんて言われてたなんて全然知らなかった!

でも安心しろ!そんな悪い女なんかにいじめられたりしないよう、

これからも俺がずっと守ってやる!だからお前はそのままでいいんだぞ!」

 するとそれを傍らで聞いていた紳士クンは、胸の奥がざわつくのを感じた。

 (それって、何か違うんじゃないかな?

そもそも静香さんが女子にいじめられたのは色雄さんが原因なんだし、

しかも静香さんがそのままでいいなんて事絶対にない。

女性恐怖症を克服して、ちゃんと前に進まなきゃいけないんだ!)

 そう思った紳士クンは両拳を握り、色雄に掴みかかろうとした。

が、その時。

 「この!馬鹿アニキがぁっ!」

 と叫び声を上げ、撫子が鬼のような形相で色雄に飛びかかり、

持っていた学生鞄で色雄の後頭部を思いっきりブン殴った!

 ブヮチコォン!



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