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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅱ  作者: 椎家 友妻
第四話 紳士クンと彼女のお悩み
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26 ある意味ベッドシーン

 紳士クンはそう言って、その場に座ろうとした。

が、静香は左手を自分の左側にポンと置いてこう言った。

 「そこじゃなくて、どうぞここに座ってください。

その方がお話もしやすいですし」

 「えええっ⁉」

 静香の言葉に驚きの声を上げる紳士クン。

つまりそれは、静香と隣り合ってベッドに腰掛けるという事。

それが若い男女にとってどれだけ危うく刺激的なのか、

そういう経験がない紳士クンでも充分に理解できた。

が、当の静香は全く意識している様子はない。

そういった事に全然関心がないのか、

もしくはハナから紳士クンをそういう対象として見ていないのか。

 しかしそういう事を意識しまくりの紳士クンは、

顔を真っ赤にしながら静香に尋ねた。

 「い、い、いいんですか?」

 「もちろんです。どうぞこちらに」

 セリフだけ見ると、これからアハ~ン♡な事でも始まりそうな雰囲気だが、

実際のところはただベッドに隣り合って座るだけである。

それでも紳士クンはガチガチに緊張した状態で静香の元に歩み寄り、

その隣にビクビクしながら腰かけた。

するとその時静香の髪から、フワッと甘い香りが漂って来た。

 (へ、変な気を起しちゃだめだ!変な気を起しちゃだめだ!)

 必死に自分にそう言い聞かせる紳士クン。

するとそんな紳士クンに、静香は抑揚のない声で言った。

 「昨日の話の続きを聞きに来たんですよね?私に以前、何があったのか」

 その言葉を聞いた紳士クンは、遠慮がちに答える。

 「はい、そうです。で、でも、言いたくないなら言わなくてもいいですよ?

きっと静香さんにとって、とても辛い出来事だったでしょうから」

 しかし静香は首を横に振ってこう続けた。

 「いえ、聞いてください。乙子さんになら、話せる気がするんです」

 「そ、そうですか。じゃあ、聞かせてもらえますか?

過去に一体、何があったのか」

 紳士クンがそう言うと、

静香は「分かりました」と言って暫く間を置き、静かな口調で語り始めた。



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