25 ここからは紳士クンのターン
コンコン。
しかし部屋の中から返事はない。
なので紳士クンはドア越しに、この中に居るであろう静香に声をかけた。
「あの、静香さん?ボク、乙子です。
えと、勝手に家に上がったりして本当にごめんなさい。
でも、あの、ボク達本当に静香さんの事が心配で、
どうしてもキチンとお話がしたくて、ここまで来ちゃいました。
だから、あの、お姉ちゃんは部屋の外で待ってますので、
ボクだけでも、部屋の中に入れてもらえませんか?
も、もちろん、静香さんに変な事はしません!
神様に誓います!だからどうか・・・・・・」
紳士クンがそこまで言うと、少し間を置いて、部屋の中から声が返って来た。
「乙子さん、だけなら・・・・・・」
それを聞いた紳士クンは、
「じゃ、じゃあ、失礼します」
と神妙な口調で言い、ゆっくりと部屋のドアを開けた。
そして部屋の中に足を踏み入れると、窓際に置かれたベッドに、
パジャマ姿の静香がちょこんと座っていた。
今日はいつものお団子ヘアーではなく、髪を自然に下ろしている。
そんなプライベートな静香の姿に紳士クンはドキッとし、頬を赤らめながら言った。
「あの、本当にスミマセン。いきなり、勝手に押しかけちゃったりして・・・・・・」
すると静香は首を横に振り、呟くように言った。
「いえ、構いません。それより、どうぞ座ってください」
「あ、はい。失礼します」




