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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅱ  作者: 椎家 友妻
第一話 紳士クンの御奉仕 前編
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5 紳士クン争奪戦

 「どこがですか!そんな事が許される訳ないでしょ!

もしそんな事が許されるなら、私が乙子さんとメイド同士になります!」

 「はぁ⁉何言うてんねん!このアイディアを考えたのはウチやで⁉

そやからウチが乙子ちゃんとペアを組むのが筋やろ!」

 「それはあなたが勝手に決めた事でしょ!

仲良しの度合いから言って、私が乙子さんとペアを組むのが妥当です!」

 「アホ言いな!ウチの方が乙子ちゃんと仲良しやもん!

そやから乙子ちゃんとペアを組むのはウチ!」

 「いいえ!私です!」

 「ウチ!」

 「私!」

 「あ、あの、二人とも落ち着いて・・・・・・」

 思わぬ形で始まってしまった笑美と華子の口論の間に、

紳士クンがおずおずと口を挟んだ。

すると二人は同時に紳士クンの方に振り向き、口々にこう言った。

 「乙子ちゃんはウチとペアを組みたいやんな⁉な⁉」

 「乙子さんがペアを組みたいのは私ですよね⁉ね⁉」

 「え、え~と・・・・・・」

 二人の凄い剣幕に、紳士クンは苦笑しながらたじろいだ。

 (ど、どうしよう、まさかこんな事になるなんて・・・・・・)

 この状況を小粋なジョークでかわせるほど、今の紳士クンには余裕も経験値もない。

おまけに根が優しいものだから、

何とか二人を傷つけないような答えを必死に考えた。

が、そんな都合のいい答えが思い浮かぶはずもなく、

紳士クンはひたすら焦る事しかできなかった。

 (ど、どうしよう・・・・・・)

 その間にも笑美と華子はズズイッと詰め寄って来て、

紳士クンに無言のプレッシャーをかけてくる。

このままだと紳士クンは、

たじろぐあまりに椅子ごと後ろにすっ転んでしまいそうだった。

紳士クンピンチ!

どうする紳士クン⁉

と、思われたその時だった。

 「お、ここに居たのか乙子」

 という声とともに、背後から生徒会副会長の鎌井(かまい)太刀(たち)が現れた。



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