20 撫子の先輩オーラ
それを聞いた撫子は、一転して鋭い目つきで真子を睨みつけて言った。
「あなた、上級生であるこの私の言葉に、因縁をつけようっていうの?」
「い、因縁をつけるなんてとんでもない!
大変申し訳ありませんでした。私はこれで失礼いたします」
撫子のトゲのある言葉にうろたえた真子はそう言って撫子に深く頭を下げ、
踵を返す際にキッと紳士クンを睨み、そのまま教室から出て行った。
その後ろ姿を眺めながら、撫子はニヤッと笑いながら言った。
「あの子、静香さんに対して相当怒ってたわね」
「うん、ボクに対してもね・・・・・・」
そう言ってひきつった笑みを浮かべる紳士クン。
そんな紳士クンの肩をポンと叩きながら、撫子は言った。
「これは益々、何とかしないと大変な事になるんじゃない?」
「うぅ、やっぱりそうだよねぇ・・・・・・」
「そういう訳だから、今日学校が終わったら静香さんの家にお邪魔するわよ」
「で、でも、いきなり押しかけちゃっていいのかなぁ?」
「大丈夫よ。私達は静香さんのお見舞いに行くだけ(、、、、、、、、、)なんだから」
不安げに呟く紳士クンに、撫子は軽い口調で言った。
こうして紳士クンと撫子は、静香の家に殴りこむ、
もとい、お見舞いに行く事になったのだが・・・・・・
(一体、どうなっちゃうんだろう?)




