11 撫子の心配
「静香さんは極度の女性恐怖症なんでしょ?
なのにどうしてあんたとは仲がいい訳?この前も普通に会話してたし」
「ああそれは、静香さんがボクが男だっていう事を知っているからだよ。
静香さんは男の人とは普通に接する事ができるみたいだから」
「はぁっ⁉あんた静香さんに、自分が男だってバレちゃったの⁉
それはマズイでしょ!」
「だ、大丈夫だよ。静香さんは絶対誰にも言わないって約束してくれたし、
誰かに言いふらそうにも周りは女子ばかりだし」
「ああ、そうなの?まあ、それならいいんだけど」
撫子はそう言いながら、紳士クンをジトっとした目で眺めながらこう思った。
(紳士って、何だかんだでこの学園での生活になじんでるわよね。
しかも結構女友達も増えたみたいだし。
もしかして紳士って、女心を掴むのがうまいのかしら?
意外とプレイボーイな性格なの?う~ん・・・・・・)
「ど、どうしたのお姉ちゃん?ボクの顔に何か付いてる?」
自分の顔をじぃ~っと見つめる撫子に、紳士クンはたじろぎながら言った。
すると撫子はボソッと呟くようにこう返す。
「あんた、浮気ばっかりして恋人を泣かせるような男になったら承知しないわよ?」
「ええっ⁉な、何の話⁉」
「何でもないわよ。で、私はどうすればいいの?」
撫子の問いかけに、紳士クンは気を取り直してこう言った。




