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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅱ  作者: 椎家 友妻
第四話 紳士クンと彼女のお悩み
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10 助っ人登場

 ──────そこから約十分後、紳士クンと静香が居る旧校舎の前に、

もう一人の人物がやって来た。

紳士クンの姉にして静香のクラスメイトの撫子である。

さっき紳士クンが携帯電話で呼び出したのだ。

 「お姉ちゃーん!こっちこっち!」

 校舎の方から現れた撫子に、紳士クンはそう言って手を振った。

そして誰が来るのかを知らされていなかった静香は、

撫子の姿を見るなり紳士クンの背後に隠れた。

 「ど、どうして撫子さんを呼び出したんですか?」

 「もちろん、静香さんの特訓のためですよ」

 震える声で問いかける静香に軽い口調で答える紳士クン。

そこに撫子が歩いてやって来た。

 「何なのよ乙子、こんな所に呼び出して。

っていうかあんたの後ろに隠れてるの、誰?」

 撫子が眉をひそめながらそう言うと、静香の体がビクッとなった。

すると紳士クンはサッと横に移動し、静香の姿を撫子に見せながら言った。

 「お姉ちゃんのクラスメイトの、迚摸(とても)(しず)()さんだよ」

 「え?静香さん?何であんたと静香さんが一緒に居るのよ?」

 目を丸くする撫子に、紳士クンはこれまでのいきさつを簡単に説明した。

 静香は実は極度の女性恐怖症で、クラスの女子達とうまくなじめない事。

そしてそれが原因で、この前の特別授業でちょっとしたいさかいが起きてしまった事。

なのでそれを解決する為に、静香の女性恐怖症を何とかしようとしている事。

 それらの説明を一通り聞いた撫子は、腕組みをしながら言った。

 「なるほど、大体事情は分かったわ。

要するに静香さんは極度の女性恐怖症で、

それを治す為に私に協力しろと、そういう訳ね?」

 「うん、そういう事なんだ。協力して、くれるかな?」

 紳士クンがおずおずと尋ねると、撫子は目を細めながら答えた。

 「それは別に構わないけど、ひとつ聞きたい事があるわ」

 「え?何?」



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