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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅱ  作者: 椎家 友妻
第四話 紳士クンと彼女のお悩み
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6 とりあえず紳士クン一人で

 その日の放課後。

紳士クンは一緒に帰ろうと言う笑美と華子の誘いを断り、

例の彼女が居る、一年女郎花(おみなえし)組の教室の前までやって来た。

ちなみにここに静香の姿はない。

静香をここまで連れて来るのは色んな意味で骨が折れそうなので、

まず紳士クンが例の彼女と接触し、静香の元へ連れて行こうと考えたのだ。

 静香からの情報によると、彼女の名前は針須(はりす)(なお)といい、

素直で大人しい、とても人柄のいい生徒らしかった。

 (そんなにいい子なら、静香さんともすぐに仲直りできるよね)

 紳士クンは気楽にそう考えながら教室の中を覗き込み、

近くに居たボブヘアーの女子生徒に声をかけた。

 「あのぉすみません。

このクラスに、針須尚さんという方はいらっしゃいますか?」

 するとボブヘアーの女子生徒は紳士クンの方に振り返り、張りのある声で言った。

 「確かに尚はこのクラスだけど、あなたは?」

 「あ、ボクは、一年菫(すみれ)組の、(けだ)(かき)乙子(おとこ)といいます。

ちょっと針須さんに、お話があって来ました」

 「ああ、思いだした。

あなた入学式の時、教会の後ろの方で副会長達とモメてた人でしょう?」

 「うっ、それはできれば、忘れて欲しいんですけど・・・・・・」

 「私じゃなくても皆覚えてるわよ。あなたは一年の間じゃ結構有名人だから」

 「ええっ?嫌だなぁ・・・・・・」

 「そう?別にいいんじゃないの?で、何だっけ?」

 「あの、針須さんに会いに来たんですけど」

 「ああ、そうだったわね」

 「今、いらっしゃいますか?」

 「居ないわよ」



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