3 お悩み相談は旧校舎の前で
という訳で紳士クンは、静香を引きつれて旧校舎の前へやって来た。
ここなら他の人間が来る事もほとんどないので、
静香も話がしやすいだろうと思ったのだ。
紳士クンは立ち止まり、静香の方に振り向いて言った。
「静香さん、一体何があったんですか?ボクでよければ相談に乗りますけど」
すると静香は消え入るような声で言った。
「私は、ひどい人間なんです・・・・・・」
「ええ?そんな事ないと思いますけど?」
「・・・・・・」
「一体、何があったんです?」
紳士クンが改めてそう問いかけると、静香は暫く黙りこんだ後、
しぼり出すように口を開いた。
「この前、学園の中で特別授業があったじゃないですか」
「ああ、ありましたね。
ボクもメイドになって、上級生のお姉様のお世話をしました」
「私も、乙子さんがメイドさんだったらよかった・・・・・・」
「え?もしかしてそれで、そんなに落ち込んでいるんですか?」
「あ、いえ、今のはただ、そうだったらよかったのになぁって単純に思っただけで、
落ち込んでいる理由とは違います」
「じゃあ、落ち込んでいる理由っていうのは何なんです?」
「実はその特別授業の時、私にもメイドの下級生の子がお仕えしてくれたんです」
「ああ」
その話を聞いて、紳士クンはピーンときた。




