14 貧血で倒れたという事で
それから約十分後、
紳士クンはそのお店のスタッフルームで目を覚ました。
その場に居た店員さんが介抱してくれたのだ。
紳士クンと笑美は介抱してくれた店員さんにお礼を言って店を出た。
そして少し外の風に当たろうという事で、
街の中心部から少し離れた所にある公園にやって来た。
もう日も傾きかけている事もあり、公園では数人の子供が遊んでいるだけだった。
そんな公園のベンチに腰掛け、紳士クンが一息ついていると、
近くの自販機でジュースを買って来た笑美がそのうちの一本を紳士クンに渡し、
隣にちょこんと腰かけた。
そしてジュースのふたを開けて一口飲んだ後、心底申し訳なさそうな口調で言った。
「ごめんな乙子ちゃん。ウチがはしゃぎ過ぎたせいで、
乙子ちゃんの体調が悪い事に全然気づけへんくて・・・・・・」
そしてしょんぼりとうつむく笑美。
そんな笑美を励ますように紳士クンはこう返す。
「そんな事いいって。そもそもいきなり倒れたボクが悪いんだし」
「乙子ちゃんは全然悪くないよ。
体調が悪い乙子ちゃんを無理やり付き合わせたウチが悪いねん・・・・・」
「ち、違うんだって!
あの時はたまたま貧血みたいになっただけで、今は全然大丈夫だから!
ボク、時々貧血で倒れる事があるんだよ。ホントに気にしないで!」
そういって苦笑する紳士クン。
まさか笑美の下着姿にのぼせて失神した等とは、口が裂けても言えなかった。
すると笑美はニコッと笑ってこう続けた。




