3 女子には体重や年齢以外にも聞いてはいけない事がある説
「わ、分かったよ。
ちなみにお姉ちゃんが初めて男の人とお出かけした時は、どんな感じだった?」
「へ?私?」
「うん、参考までに聞いておきたくて」
「私は、あの、ほら、え~と・・・・・・」
「あ、ないならないでいいけど・・・・・・」
「あ、あるわよ!私はあんたのお姉ちゃんよ⁉
男の人とお出かけした事くらいあるに決まってるでしょ!」
「そ、そうなんだ。ちなみにその時は誰とお出かけしたの?
やっぱり学校のお友達?」
「え~と、それは・・・・・・」
「それは?」
「あんた、とか、お父さん、とか・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
黙り込む二人。
何となく気まずい空気が流れる。
そんな中紳士クンが、おずおずと口を開いた。
「それって、流石にデートじゃないよね?」
するとその瞬間撫子のこめかみで『ブチッ』と何かが切れる音がし、
鬼のような形相になって紳士クンに襲い掛かった。
「そうよ!デートじゃないわよ!悪かったわねまだ未経験で!
あんた私を見下してるんでしょ⁉」
「ひぇえっ⁉ち、違うよ!ボクはただ、
お姉ちゃんにそういう経験があれば参考にしようと思っただけで・・・・・・」
「経験ないわよ!そもそもあんな女子しか居ない学園で、
男子とデートする機会なんかある訳ないでしょうがぁあああっ!」
撫子はそう叫びながら、紳士クンのホッペを左右にグニーンと引っ張った。
それに対して紳士クンは、
「ご、ごめんなひゃいぃっ」
と返すのが精一杯だった。
この時紳士クンは、女性には体重や年齢以外にも、
聞いてはいけない事があるという事を学んだのだった。




