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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅱ  作者: 椎家 友妻
第二話 紳士クンの御奉仕 後編
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26 希里、頭を下げる

 「乙子!その傷どうしたの⁉」

 翌日の朝、学園の校門の所でバッタリ紳士クン達と出くわした撫子は、

大きなばんそうこうを貼った紳士クンのホッペを見て声を荒げた。

ちなみにこれは夕べ紳士クンが、希里の父親に殴られた時に負った傷だが、

事を荒立てる気がサラサラない紳士クンは、苦笑しながらこう言った。

 「いやあ、実は昨日学園から帰る時、ちょっと転んじゃって」

 しかしそんな紳士クンの嘘をすぐさま見抜いた撫子は、

紳士クンの両肩をガシッと掴んでこう続ける。

 「嘘おっしゃい!どんなこけ方をしたらそんな傷ができるってのよ⁉」

 そして撫子は希里を睨みつけ、刺すような口調で言った。

 「日鳥さん、乙子のこの傷、まさかあなたがつけたんじゃないでしょうね?」

 「ち、違うって!これはボクが自分でコケてついた傷だから!

希里お姉様のせいじゃないよ!」

 慌てて弁明する紳士クン。

しかし撫子は

「あんたは黙ってなさい」

と言ってはねつけ、希里に向かって言った。

 「どうなのよ、日鳥さん」

 すると希里は撫子に向かって深深と頭を下げ、神妙な口調でこう言った。

 「その傷は、私のせいで(、、、、、)ついたものよ。

本当に、ごめんなさい」

 「えっ・・・・・・」

 まさか希里がこんなに素直に謝ると思っていなかった撫子は、

希里のその殊勝な態度に面を食らった顔になった。

そしてすっかり毒気を抜かれた撫子はこう続けた。

 「いや、まあ、そこまでかしこまって謝ってくれなくてもいいけど?

乙子の傷も、そんなに大した事はないみたいだし?」

 すると、その時だった。



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