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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅱ  作者: 椎家 友妻
第二話 紳士クンの御奉仕 後編
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14 メイド姿でお買い物

その日の放課後、学園を出た紳士クンは、

近所のスーパーに寄ってカレーの材料とお米を買った。

メイド姿のままでお店まで行ったので、

周囲の客達は物珍しげな表情で紳士クンを眺めていたが、

後の仕事の事で頭が一杯の紳士クンに、そんな視線を気にしている余裕はなかった。

 そして買い物を終えてマンションに戻ると、

部屋着姿でリビングのソファーに寝転んだ希里が、

 「おかえり~」

 と言って紳士クンに手を振った。

 「はい、ただいま戻りました」

 重い荷物を持ってここまで来た紳士クンは疲れた声でそう言い、

スーパーのビニール袋を一旦床の上に置いた。

それを見た希里はムクッとソファーから起き上がって紳士クンに尋ねる。

 「あ、お米も買って来たんだ。炊飯器でご飯炊いてくれるの?」

 「そうですよ。今日はカレーライスなんですから」

 「嬉しいなぁ。最近はインスタントやレトルト食品ばっかり食べてたから、

ちゃんと炊飯器で炊いたご飯なんか久し振りだわ」

 紳士クンの言葉に、希里は心底嬉しそうに笑って膝を抱えた。

 「そんなバランスの悪い食事ばっかり食べてちゃ駄目ですよ?

今は体が成長する時期なんですから、

ちゃんとバランスのとれた食事をしないといけないって・・・・・・」

 『ボクのお母さんも言ってましたよ』と言いかけて、

紳士クンは慌ててその言葉を飲みこみ、代わりにこう続けた。

 「さ、さぁて、それじゃあキッチンを片付けてカレーの準備をしないと。

あ、洗濯もしないといけないんだった」

 「ああ、洗濯なら私がやっといたから、

あんたはカレーの準備に専念してくれたらいいわよ」

 「あ、そうですか。助かります」

 紳士クンはそう言うと、スーパーの袋を持ってキッチンに向かおうとした。

するとそんな紳士クンの背中に、希里は何気ない口調でこう言った。



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