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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅱ  作者: 椎家 友妻
第二話 紳士クンの御奉仕 後編
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12 日鳥家の事情

 「でも半年前、お父さんが浮気していたのが分かって、

怒ったお母さんはそのまま家を飛び出して行ったの」

 「ええっ⁉そ、そうなんですか⁉」

 「そうよ。で、お父さんの方はむしろ開き直っちゃって、

浮気相手のマンションに入り浸るようになったの。

今じゃあ月に一度か二度しか帰って来ないわ」

 「そ、そんな・・・・・・」

 「しかもたまにうちに帰って来たと思ったら、

酒を飲んでベロベロに酔った状態で、父親面(づら)して私に説教するのよ?

『お前はあんな母親みたいな女になるな』とか

『変な男に引っかかったら人生終わりだぞ』とかね。

アンタにだけは言われたくないって感じよね」

 「う、う~ん・・・・・・」

 「でもお母さんもひどいのよ?

私の事をほったらかして出て行ったきり、何の連絡もよこさない。

私の事なんかもうどうでもいいのかしら?」

 希里はそこまで言うと、自虐気味に笑った。

一方あまりにショッキングな事実を聞かされた紳士クンは、

顔をひきつらせたまま何も言う事が出来なかった。

そんな紳士クンに、希里はイタズラっぽい口調で言った。

 「マッタク、何を喋らせてくれるのよあんたは」

 「す、すみませんでした。

まさか希里お姉様が、そんな境遇に置かれていたなんて・・・・・・」

 紳士クンは深深と頭を下げながら、希里に詫びを入れた。

が、希里は気にするでもなく全然違う方を向きながらこう言った。

 「そういえばあの辺だったわね、私があんたの給仕カードを拾ったのは」

 「え?」



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