3 ちゃんと女の子の体
伴兆太郎の言葉に、紳士クンは咄嗟に自分の胸を両手で掴んだ。すると、
ムニュウッ。
小ぶりながらも柔らかくてさわり心地のいい感触が、紳士クンの両手に広がった。
(ええっ⁉こ、これってまさか、お、お・・・・・・)
そう、おっぱいだった。
そして紳士クンは間髪いれずに右手を自分の股間にやった。すると、
無かった。
(ええええっ⁉ぼ、ボクの、お、おち・・・・・・)
そう、オチンチンが無かったのだ。
服装だけでなく、体そのものまで女の子になってしまった紳士クンは、
完全にパニック状態になった。
するとそんな紳士クンの両肩をガシッと掴み、伴兆太郎は真剣な口調で言った。
「蓋垣!もう一度言うぞ!俺はお前の事が好きだ!
だから俺と、付き合ってくれ!」
それに対して紳士クンは、両眼をグルグル回しながら必死に訴える。
「い、いや、だってボクは、男、だから・・・・・・」
「何言ってんだよ!お前はどこからどう見ても女じゃねぇか!」
「ち、違う!ボクは、男・・・・・・」
「ああもう我慢できねぇ!蓋垣!いいよな⁉」
伴兆太郎はそう言うと、口をすぼめて紳士クンの唇めがけてそれを近づけてきた。
「わああああっ⁉」
悲鳴のような叫び声を上げる紳士クン。
しかし両肩をガッチリ伴兆太郎に掴まれているので動けない!
そんな中伴兆太郎の唇がどんどんと近づいてきた!
(こ、このままじゃあボク、伴君にキスされちゃう!ど、ど、どうしよう⁉)
結論から言うと、どうしようもなかった。
そして伴兆太郎は紳士クンの唇に、
ブチュウウウッ。
「ぎゃああああああっ!」




