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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅱ  作者: 椎家 友妻
第二話 紳士クンの御奉仕 後編
29/124

9 あまりに違う境遇

 「何かお疲れやなぁ乙子ちゃん。メイドの仕事、そんなに大変やったん?」

 ぐったりしている紳士クンに、笑美が心配そうな顔で問いかける。

それに対して紳士クンは精一杯の笑みを浮かべて答えた。

 「う~ん、まあね。笑美さん達はどうだった?」

 紳士クンが尋ねると、華子がニッコリ微笑んで答えた。

 「すごく楽しかったですよ?

このたびお仕えする事になったお姉様がとても優しい方で、

家にお邪魔しても大した仕事はしなくてよかったし、

夜はとても豪華なディナーをごちそうしてくれたんです♪」

 すると笑美も嬉々とした表情でこう続ける。

 「ウチも今回お仕えする事になったお姉様がメッチャいい人で、

おまけに家が物凄いお金持ちやから、

今日はその人のお屋敷で開かれる社交パーティーに参加させてもらえるねん♪

メッチャ楽しみやわぁ~」

 笑美も華子も、それは楽しそうな笑みを浮かべている。

一方の紳士クンは、そんな彼女達の話をひきつった笑みを浮かべながら聞いていた。

ちなみに紳士クンの昨日の夕食は、

袋タイプのインスタントラーメンとパックご飯のみ。

おまけに希里には

『あんたはメイドなんだから、もっとマシな食事を用意しなさいよ!』

と散々文句を言われた。

 (同じメイドのはずなのに、どうしてこんなに境遇が違うんだろう・・・・・・)

 そう考えると、もう苦笑いを浮かべるしかない紳士クンだった。

するとそんな紳士クンに、華子と笑美が心配そうに声をかける。

 「やっぱり元気がないですね乙子さん。昨日何かあったんですか?」

 「もしかして、お仕えしたお姉様にイジメられたとか?」

 それに対して紳士クンは、両手を横に振りながら言った。

 「だ、大丈夫だよ。

別に何かあった訳じゃないし、イジメられた訳でもないから」

 まさか自分が仕える事になった家がとんでもないゴミ屋敷だとは、

とても言えない紳士クンだった。

と、その時だった。


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