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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅱ  作者: 椎家 友妻
第二話 紳士クンの御奉仕 後編
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4 一触即発

 二年藤(ふじ)組の教室にたどり着くと、すぐさま撫子がやって来て紳士クンに言った。

 「あんた大丈夫?希里の奴にひどい事されてない?」

 「大丈夫だよお姉ちゃん。今日はまだこれといったメイドの仕事もしてないし」

 「でも今日から希里の家に三日も泊まらなきゃいけないでしょ?

何かイジワルされたらすぐに言うのよ?」

 撫子がそう言いながら紳士クンの肩を揺さぶっていると、

背後から希里が現れて言った。

 「あらあら、随分ひどい言われようねぇ。

撫子さんはそんなに私の事がお嫌いなのかしら?」

 それに対して撫子は、怒りに満ちた笑みを浮かべてこう返す。

 「そうねぇ、ハッキリ言って好きじゃないわね。

あんたのそのひねくれた根性とかがね」

 「ま、まあまあ、お姉ちゃん落ち着いて」

 このままではまた喧嘩が始まってしまいそうなので、

紳士クンは早めに二人の間に割って入った。

 「それじゃあ希里お姉様、一緒に帰りましょう」

 「そうね、これ以上あなたのお姉さんと話をしても、

喧嘩になってしまうだけだものね」

 「それはあんたのせいじゃないの!」

 希里の言葉に食ってかかる撫子。

それを紳士クンが必死になだめる。

 「お、落ち着いてお姉ちゃん。

ボクは大丈夫だから。何かあったら連絡するから、ね?」

 すると撫子は

「分かったわよ」

と言って渋々頷き、プイッとそっぽを向いた。

 「じゃ、行きましょうか乙子」

 「あ、はい」

 希里に(うなが)され、紳士クンは希里と並んで歩き出す。



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