1 御奉仕初日
翌朝、紳士クンは昨日配られたメイド服を着て学校にやって来た。
今日から四日間、この格好で日鳥希里の世話をしなければならない。
そしてそれは学校のみならず、学校の外や家での生活の世話もである。
つまり紳士クンは、今日からの四日間は完全に希里の専属メイドなのだ。
昨日少しお目にかかった限りでは、
希里はお世辞にも人柄がいい人物とは言えなかった。
そんな人物の元で、
紳士クンは立派にメイドとしての務めを果たす事ができるのか?
そのあたりは当の紳士クンが、一番不安に思っていた。
するとそんな紳士クンに、撫子が心配そうな顔で声をかけた。
「あんた、本当に大丈夫?
どうしても無理そうなら、この前みたいに私と入れ替わろうか?」
「い、いいよぉそんな事してくれなくても。ボクはボクで頑張るから」
「あんたは昔から変にお人よしなところがあるから、余計に心配なのよねぇ」
「あはは・・・・・・」
等と言い合っていたその時、
「おはよう乙子」
と、背後から紳士クンに声をかけて来た人物が居た。
その声に紳士クンと撫子が振り向くとそこに、
意地の悪そうな笑みを浮かべた希里の姿があった。




