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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅱ  作者: 椎家 友妻
第一話 紳士クンの御奉仕 前編
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13 メイドの心構え

 「そしてこの特別授業に臨むにあたっての心構えですが、

皆さんにはこの特別授業を通して、

『奉仕の精神』を学んでいただきたいと思います。

しかし奉仕と言っても、主人に服従し、

絶対の忠誠を誓いなさいという訳ではありません。

この国でのメイドという存在は、最近ではアイドル、

もしくはある特殊な欲望の対象として見られていますが、

本来のメイドの在り方はそうではないのです。

表面上は主人の使用人ですが、

その本質は、『自立して働く女性』そのものなのです。

そしてそんなメイドが行う『奉仕』とは、

主人に服従する為に行うものではなく、

あくまで自立した一人の女性としての労働なのです。

その具体的な行動が、主人の食事を用意したり、炊事洗濯等の家事全般。

そしてその他の細かい身の周りのお世話なのですが、

そういった事を身を以て体験する事で、

『奉仕する』という行いの本質を知り、

また、それをやってもらう事に対する感謝の気持ちも学ぶ事ができます。

これはいくら話だけを聞いても理解できる事ではなく、

行動して体感する事で、初めて身につく物なのです。

そしてその時あなた方は、このエシオニア学園が理想とする

『強く可憐で慎ましい女性』の姿に近づく事ができるでしょう。

なので皆さん、気を引き締めてこの特別授業に臨んでください」

 木比篠先生がそう言うと、クラスの生徒達は

「ハイッ!」と引き締まった返事を返した。

すると傍らの愛雛先生が、感心するような口調でこう言った。

 「へぇ~っ、この特別授業って、そういう意味があったんですね~」

 それを聞いた木比篠先生は、ギロリと愛雛先生を睨みつけて言った。

 「あなたには以前職員会議の場で説明したでしょう?」

 「え?あ!そ、そうでしたよね!

いや!別に忘れていた訳じゃあないですよ⁉あ、あはは~」

 そう言って下手な愛想笑いを浮かべる愛雛先生。

そしてそれをごまかすようにこう続けた。

 「と、とにかくそういう訳だから、皆明日から頑張ってね!

それじゃあお仕えする上級生が決まっている子はもう帰っていいわよ。

まだ決まってない子は私の所に来てちょうだい。以上!」



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