11 メイド服は本格的なヤツ
その日の放課後。
結局あれから紳士クンの給仕カードは見つからなかった。
(まあそのおかげで、令お姉様や太刀お姉様のメイドにならずに済んだんだけど)
そう思いながらホッと胸を撫で下ろした紳士クン。
そして終礼が終わった後、特別授業の為のメイド服が、クラスの生徒全員に配られた。
「わあ、可愛い♪」
「結構本格的な造りなのね」
「何だかワクワクするわ♪」
メイド服を手にした生徒達が、嬉々とした様子で騒ぎ声を上げる。
最初は恥ずかしがっていた生徒も、いざ本物のメイド服を手にすると、
満更でもない様子でそれを自分の体にあわせたりしている。
ちなみにここで配られたメイド服は、濃い茶色のブラウスとスカートに、
純白のエプロンとヘッドドレス。
エプロンの肩ひもと裾の部分には控えめなフリルが付いていて、
スカート丈はくるぶし(、、、、)のあたりまである。
いわゆる英国貴族のお屋敷で、実際のメイドさんが着ていそうな衣裳だった。
ミニスカートでフリルも沢山あしらわれた、
アイドル衣装の様なメイド服を想像していた紳士クンは、
この衣裳を見て少しだけ安心した。
(これだけ長いスカートなら、めくれちゃう心配もないよね)
そんな中担任の愛雛先生が、
「は~い、皆さん静かに」と言ってこう続けた。




