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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅱ  作者: 椎家 友妻
第一話 紳士クンの御奉仕 前編
14/124

10 風のイタズラと、裏庭にたたずむ少女

 「あ、あの、二人とも落ち着いて。喧嘩は駄目ですよ・・・・・・」

 傍らの紳士クンが何とかなだめようとするが、

闘争心に火が付いたこの二人は止められそうにもない。

それどころか二人のカードの奪い合いは激しさを増し、

その勢いでカードは二人の手を離れて宙に舞った。

するとその時、タイミングよく屋上に突風が吹きこんだ!

 ビョオオッ!

 そして宙に舞ったカードはその突風に乗って屋上のフェンスの外まで飛んでいき、

風がやんだ瞬間そのまま真下に落ちていった。

 「え・・・・・・」

 「嘘・・・・・・」

 その一瞬の出来事に、目を点にして呟く令と太刀。

しかしすぐさま気を持ち直し、

 「大変!すぐに取りに行かなくちゃ!」

 「そうはさせるか!あれは私の物だ!」

 と言って、二人して屋上から走り去って行った。

 一方屋上にポツンと一人取り残された紳士クンは、

とりあえずカードが落ちて行ったフェンスから下を見下ろした。

そこは校舎裏の庭園になっていて、そこに一人の女子生徒が立っていた。

黒い髪を肩のあたりまでのばし、赤くて大きなリボンをつけている。

 (もしかして、あの人の近くにカードが落ちたんじゃあ?)

 と思いながら眺めていると、その女子生徒はさっさとその場を去って行った。


 それから数分後、そこに令と太刀が現れてその庭園をあちこち探し回ったが、

どうやらカードは見つからないようだった。

 (という事は、さっきの人がカードを拾ったのかな?)

 そんな事を考えているうちに、

昼休みの終わりを告げる教会の鐘の音が鳴り響いた。

果たして紳士クンのカードの行方は?



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