21 撫子に『察してください』という言葉は通用しない説
やや間を置いて、
「ええええっ⁉」
「どええええっ⁉」
令奈と紳士クンは同時に声を上げ、紳士クンが撫子に食ってかかった。
「ちょっと!その事には触れないでって言ったじゃないか!
それなのに何でいきなり言っちゃうの⁉」
それに対して撫子は、何ら悪びれる様子もなくこう返す。
「だって実際そうなんでしょ?
だからこの学園の女子部に入るのが嫌だったんじゃないの?
ねえ、令奈ちゃん?」
そんな撫子の身も蓋もない言葉に、令奈は完全に放心状態になっていた。
すると撫子はニコニコしながら更にこう続けた。
「まあでも安心して。こっちの乙子だって、実は男(、)なんだから」
・・・・・・。
やや、間を置いて、
「ええええっ⁉」
「どええええっ⁉」
令奈と紳士クンは再び驚きの声をあげ、紳士クンが撫子に食ってかかった。
「ちょっとぉっ!何でその事までここで言うの⁉
そんな事言ったら令奈さんがパニックになっちゃうじゃないか!」
何せ令奈は、その男である紳士クンに愛の告白をしかけたのだ。
しかしそんな事をつゆも知らない撫子は、
「だってホントの事でしょ?ホラ」
と言って、紳士クンのスカートをペロンとめくりあげた。
するとそこから、
紳士クンの男らしさを守る最後の砦であるトランクスがお目見えした。




