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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅱ  作者: 椎家 友妻
第五話 紳士クンと謎の美少女
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20 お姉ちゃん現る

 ガチャッと突然資料室のドアが開け放たれた。

 「わぁっ⁉」

 思わず声を上げてそちらへ振り向く紳士クン。

その瞬間令奈は口から出かけた言葉をグッと飲み込んだ。

ちなみに突然資料室に現れたその人物とは、紳士クンの姉の撫子だった。

 「お、お姉ちゃん⁉どうしてここに⁉」

 紳士クンが驚きの声を上げると、撫子は事もなげにこう答えた。

 「午後の授業で使う資料を取りに来たのよ。

あんたこそこんな所で何やってんのよ?って、あら?」

 令奈の姿に気づいた撫子は、紳士クンの元に歩み寄ってこう続けた。

 「ねぇ、もしかしてこの子が、令お姉様の妹さん?」

 「あ、う、うん」

 紳士クンが頷くと、撫子は「へぇ~」と言いながら令奈の全身を眺め、

感心するように言った。

 「やっぱり令お姉様に似て美人ねぇ。

おまけに細身で手足も綺麗だし、うらやましいわマッタク」

 「お、お姉ちゃん」

 紳士クンはそんな撫子の袖をチョイチョイと引っ張り、声をひそめて耳打ちした。

 「ボク、まだ令奈さんに男かどうか確認してないから、

そういう話題には触れないようにしてね」

 「あら、そうなの?分かったわ」

 撫子は普通の声の大きさでそう答えると、令太の方を見てこう言った。

 「初めまして、私は乙子の姉の(けだ)(かき)撫子(なでしこ)よ。

あなたは令お姉様の妹の、令奈さんね?」

 「は、はい・・・・・・」

 令奈は撫子に警戒心を抱いた表情で頷いた。

そんな令奈に撫子が、次に言った言葉はこれだった。


 「あんた、実は男なんでしょ?」



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