表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紳士クンの、割と不本意な日々Ⅱ  作者: 椎家 友妻
第五話 紳士クンと謎の美少女
121/124

19 伴兆太郎と同じ雰囲気

 「れ、令奈さんは、この学園に転校するのが凄く嫌だったんだね?どうして?」

 「それは、言えない。言いたくない」

 消え入るような声で呟く令奈。

なので紳士クンは慌てて取り繕いながらこう続けた。

 「あ、ご、ごめん、嫌な事聞いちゃって。

で、でも、今日はちゃんと教室まで来てくれたんだね。

昨日の様子だと、もう来てくれないのかと思ってたけど」

 「そ、それは・・・・・・」

 令奈はそう呟くと、チラッと紳士クンの方を見やった。

よく見ると、頬がにわかに赤らんでいる。

その表情はまるで、恋する相手を前にした時のようなそれだった。

そしてその雰囲気は、当の紳士クンも感じ取っていた。

 (あ、あれ?この雰囲気って、まさか・・・・・・)

 そう、今の令奈が醸し出す雰囲気は、

(ばん)(ちょう)太郎(たろう)が紳士クンを見る時のそれにとても似ていた。

つまり令奈は、紳士クンに恋をしてしまった可能性が非常に高いのだ。

 (え、えーっ⁉ま、まさか令奈さん、ボ、ボクの事を⁉

でも令奈さんは男の子。いや、まだそうと決まった訳じゃないけど、えーっ⁉)

 思わずたじろぐ紳士クン。

そんな紳士クンをまっすぐに見つめ、令奈は真剣な顔で言った。

 「乙子、さん。お、オレ、実は、あんたの事が・・・・・・」

 「う、うん・・・・・・」

 令奈の言葉につばを飲む紳士クン。

 (まさか令奈さん、ここでボクに告白するの⁉

どうしてボクは、男の子ばかりに告白されるの⁉)

 そう思いながら紳士クンは自分の運命を呪った。

そして令奈が紳士クンに

 「好──────」

 と、言いかけた、その時だった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ