表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紳士クンの、割と不本意な日々Ⅱ  作者: 椎家 友妻
第五話 紳士クンと謎の美少女
120/124

18 資料室の令奈

 紳士クンの様子を見て華子はそう言ったが、

紳士クンの本当の目的はトイレではなく令奈だった。

 (一度、ちゃんと令奈さんと話しあわないと)

 そう考えた紳士クンは、令奈を探して校舎の中をあちこち歩き回った。

が、やみくもに歩きまわっても見つかるはずがなく、

紳士クンは一度立ち止まり、令奈が行きそうな場所を思い出してみた。

 (となると、令奈さんが行きそうな場所はあそこしかないか)

 と思い至った紳士クンがやって来たのは、校舎一階にある資料室だった。

 資料室の前に立った紳士クンは、ゆっくりドアノブを回してそっとドアを開けた。

するとその資料室の中に、踏み台に座って膝に顔を埋める令奈の姿があった。

紳士クンは静かにドアを閉め、そんな令奈のそばに歩み寄って声をかけた。

 「あの、令奈、さん?」

 すると令奈は「うわっ⁉」と声をあげて咄嗟に立ちあがった。

そして紳士クンの顔を見ると、ホッとしたような顔で言った。

 「な、何だ、蓋垣さんか・・・・・・」

 それに対して紳士クンは、ニコッと笑ってこう返す。

 「乙子でいいよ。それより驚かせちゃってごめんね?今、ちょっといいかな?」

 「お、おう・・・・・・」

 令奈は紳士クンから目を逸らしながらうなずく。

その令奈に、紳士クンは心配そうな顔をして尋ねた。

 「令奈さんはどうして、クラスの皆にあんな態度をとるの?

あれじゃあいつまでたってもクラスの皆と仲良くなれないよ?」

 すると令奈はぶっきらぼうな口調で答える。

 「フン、別にいいよ。オレはクラスの奴らと仲良くする気なんてサラサラねぇし」

 「・・・・・・」

 令奈の言葉に黙り込む紳士クン。

 (それってやっぱり、令奈さんが本当は男の子で、

それなのに無理やり女子校に転校させられたから?

で、でも、その事を直接本人に聞くのも悪いし・・・・・・)

 そう思った紳士クンは、少し違う角度から聞いてみる事にした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ