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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅱ  作者: 椎家 友妻
第五話 紳士クンと謎の美少女
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16 お高くとまる令奈

 その後の休み時間。

クラスメイトの生徒達は令奈の机を取り囲み、親しげに話しかけていた。

 「ねえ凄茎さん、イギリスでの生活はどんな感じだった?」

 「やっぱり英語とかペラペラなの?」

 「おうちでの令お姉様ってどんな感じ?」

 転校生が来たクラスではよくある光景である。

しかもその転校生があの令の妹という事で、

クラスメイト達の関心も一層高い様子だ。

しかし当の令奈はそんな彼女達に、ガタッと席を立ってこう言い放った。

 「悪いけど、あんた達と仲良くするつもりはねぇから」

 そして周囲の人だかりを押しのけ、スタスタと教室を出て行った。

一方そんな仕打ちをされた女子生徒達はポカンと口を開けて目を点にしていたが、

やがてそれが怒りの声に変わった。

 「何なのよあの態度!信じらんない!」

 「せっかく早くクラスになじめるように話しかけてあげたのに!」

 「令お姉様の妹だと思ってお高くとまってるんじゃないの⁉」

 彼女達の怒りは暫くおさまりそうになかった。

 (ああ、何か大変な事になっちゃってる・・・・・・)

 その様子を少し離れた所で見ていた紳士クンは、

そう思いながらハラハラしていた。

すると傍らの笑美が、頭をポリポリかきながら言った。

 「こりゃまたえらいクセのある子が転校してきたなぁ。

典型的なトラブルメーカーって感じやな」

 それに対して華子。

 「いえいえ、ああいう方に限って意外とオカルト好きだったりするんですよ」

 「あんたは何でもそっちに結び付けるなぁ」

 「今度オカルト研究会に勧誘してみましょう」

 「やめときって。どうせさっきみたいに無愛想に断られるのがオチや」

 「そうでしょうか?乙子さんはどう思います?」

 「え?ボ、ボク?」

 いきなり話を振られた紳士クンは焦ったが、気を取り直してこう答えた。

 「ま、まあ、オカルト好きかどうかは分からないけど、

こっちから心を開いて根気よく接すれば、あの子も心を開いてくれるんじゃないかな?」

 「そうかなぁ?そんな学園青春ドラマみたいにはいかんと思うけど?」



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