13 とりあえずお姉ちゃんに相談
その日の夜、紳士クンは撫子の部屋を訪れ、
今日の出来事を一通り撫子に話した。
すると撫子は勉強机の椅子に座り、右手でシャーペンをクルクル回しながら言った。
「へぇ~、令お姉様って妹さんも居たのね。弟が居るっていうのはこの前聞いたけど」
それに対して紳士クンは、ベッドの上であぐらをかきながらこう返す。
「しかもその子がボクのクラスに転校する事になるなんて、凄い偶然だよね」
「偶然、なのかしらねぇ?その妹さんって、どんな子なの?」
「何か凄く男っぽい性格の女の子だった。令お姉様とは全然違うタイプだったなぁ」
「その子はエシオニア学園に転校するのを凄く嫌がってる。一体どうしてかしら?」
「さあ?令お姉様は、時期が来れば教えるって言ってたけど」
「その妹さんの名前、何だっけ?」
「令奈だよ。凄茎令奈」
「令、奈・・・・・・?」
撫子はそう呟くと、一転して険しい表情になって黙り込んだ。
「どうしたのお姉ちゃん?急に黙りこんだりして」
首をかしげて尋ねる紳士クン。
しかし撫子はその後も黙り込み、暫く経ってから「あっ」と声を上げた。
「どうしたの?何か思い出したの?」
再び尋ねる紳士クン。
そんな紳士クンの方に振り返り、撫子は神妙な口調で言った。
「紳士、その令奈って子・・・・・・」
「う、うん・・・・・・」
「もしかして、男(、)、なんじゃないの?」
「え?」




