表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紳士クンの、割と不本意な日々Ⅱ  作者: 椎家 友妻
第一話 紳士クンの御奉仕 前編
11/124

7 生ぬるい!

 そして紳士クンが連れてこられたのは、人気のない校舎の屋上だった。

 こんな所に連れて来て、一体何の話なんだろうと紳士クンがビクビクしていると、

太刀は屋上のまん中あたりに来た所でクルリと振り返り、

紳士クンに向かってこう言った。

 「お前は今回の特別授業で、どの上級生に仕えるのかもう決めたのか?」

 「あ、いえ、まだですけど・・・・・・」

 (まさか太刀お姉様も、ボクにメイドになれって言うんじゃ?)

 と思った紳士クンに、太刀が次に言った言葉はこれだった。

 「だったら、私のメイドにならないか?」

 (やっぱり・・・・・・)

 あまりに予想通りな言葉にガックリする紳士クンだったが、

気を取り直して太刀に問いかけた。

 「あの、どうしてボクなんかを誘ってくださるんですか?

太刀お姉様なら、他にもメイドをやりたいって言う子は沢山居るんじゃないですか?」

 すると太刀は腕組みをしながら言った。

 「それはそうだが、私はこの前の一件(第一巻の五話参照)

以来お前の事がすっかり気に入ってな。

お前がよりたくましい女性になれるよう、私の手で鍛えてみたくなったのだ」

 「ええっ⁉鍛える⁉で、でも今回の特別授業では、

一年生が上級生のメイドになって、

身の周りのお世話をするっていう内容だったんじゃあ?」

 「生ぬるい!」

 「ええっ⁉」

 「身の周りの世話をしたくらいで何が鍛えられると言うんだ!

これからの時代の女性は家事手伝いができるだけじゃあ駄目だ!

社会に出ても男に負けない体力と精神力を身につけねば!

その為に私がお前をマンツーマンで鍛えてやる!

どうだ!嬉しいだろう⁉」

 「え、ええええ?」

 太刀の言葉に力の抜けた声を上げる紳士クン。

結論から言うと全く嬉しくなかった。

今すぐにでもここから逃げ出したい気分だった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ