表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紳士クンの、割と不本意な日々Ⅱ  作者: 椎家 友妻
第五話 紳士クンと謎の美少女
108/124

6 何かに追われる女子生徒

 タタタタッ!

と、誰かが凄い勢いで階段を駆け降りる音が聞こえた。

反射的にそちらに顔を向ける紳士クン。

すると一人の女子生徒が階段から廊下に飛び出し、

全速力で紳士クンの方に向かって走って来た。

 身長は紳士クンより少し高く、

ブロンドのストレートヘアーを背中まで伸ばしている。

その女子生徒は紳士クンの目の前まで来て立ち止まるなり、

その両肩をガシッと掴んでこう言った。

 「おいあんた!オレ、今悪い奴に追われてるんだ!

だからちょっとかくまってくれ!」

 「え?ええ?」

 突然の申し出に戸惑う紳士クン。

するとその女子生徒は紳士クンの返事も聞かずに、

 「オレはこの部屋に隠れるから、オレを追っかけている奴が来ても、

絶対にここに居るとは言わないでくれよ!」

 と言い、資料室の中に入ってバタンとドアを閉めた。

 「い、一体何なの?」

 状況が全く飲み込めない紳士クンは、資料室の前で小首を傾げた。

とその時、

 「乙子ちゃーん!」

 という声とともに、令が手を振りながら紳士クンの元へ駆け寄って来た。

 「れ、令お姉様?一体どうしたんですか?」

 にわかに息を切らした令を見て、紳士クンは目を丸くして尋ねた。

すると令は珍しく真剣な顔をして紳士クンに言った。

 「今ここに、乙子ちゃんと同じくらいの体格の、髪の長い女の子が来なかった?」

 「あ・・・・・・」

 紳士クンは令の言う女の子が誰なのかをすぐに理解した。

今資料室に隠れている子がそうなのだ。

 (という事は、あの人が言ってた悪い奴って、令お姉様の事?)

 紳士クンはそう思いながら、平静を装って令に言った。

 「ああ、その人なら、凄い勢いであっちの方に走って行きましたよ?」

 すると令は、

 「ありがとね、乙子ちゃん!」

 と言い、紳士クンが指差した方向へ走り去って言った。

 「お、お気をつけて~」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ