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紳士クンの、割と不本意な日々Ⅱ  作者: 椎家 友妻
第五話 紳士クンと謎の美少女
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4 浮かない顔の先生

 「どうしたん乙子ちゃん?難しい顔して」

 考え込む紳士クンの顔を覗き込み、笑美が問いかける。

 「あ、いや、何でもないよ?ちょっとボーっとしちゃってただけ」

 そう言って笑ってごまかす紳士クン。

すると華子と笑美はそれを気にするでもなく話を続けた。

 「転校生かぁ。仲良くなれるといいですねぇ」

 「まあ海外で生活してた子やったら、

誰とでもすぐに仲良しになれるんとちゃう?」

 「もしそうなれば、

ぜひとも我がオカルト研究会に入って欲しいものですね」

 「え、その会ってまだ続いとったん?」

 「当たり前じゃないですか!

これからもどんどん会員を増やして、活動を活発にしていくんです!」

 「えぇ~、めんどくさいなぁ」

 そんな二人のやりとりを眺めながら、紳士クンはこう思った。

 (まあ、あまり考え過ぎるのもよくないよね)

 そんな中担任の愛雛(まなびな)先生が、

 「は~い、皆さん席に着いてくださ~い」

 と言いながら教室に現れ、生徒達は各々の席に着いた。

そして教壇に立つ愛雛先生。よく見ると、何だか浮かない顔をしている。

おまけに朝のホームルームも始めずに大きなため息なんぞをつくので、

笑美が右手を挙げて愛雛先生に尋ねた。

 「愛雛先生、ため息なんかついて何かあったんですか?」

 すると愛雛先生はもう一度ため息をついて言った。

 「実は今日、このクラスに転校生が来る事になっていたんだけど・・・・・・」

 「だけど、どうしたんですか?」

 笑美の問いかけに、愛雛先生は三度目のため息をついてこう言った。

 「ここに来る途中に、何処かに行っちゃったの・・・・・・」

 「ええ?」

 笑美だけでなく、クラス中の生徒がどよめいた。

そんな中華子が愛雛先生に問いかける。

 「それって、校舎の何処かではぐれちゃったって事ですか?」

 「多分そうだと思う。職員室からここに来る時、

いつの間にか何処かに行っちゃったの。

こんな事になっちゃうなんて、木比(きび)(しの)先生に何て言えば・・・・・・」

 そう言って頭を抱える愛雛先生。

するとクラスの生徒達が、

 「元気出してください先生」

 「先生は悪くないですよ」

 と、励ましの声をかけた。

 「うぅ、ありがとう皆。とりあえずこの後、学園中を探してみるわ」

 瞳を潤ませながら愛雛先生は言った。



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