3 にぎやかな教室
紳士クンが教室へたどり着くと、
教室の生徒達が何やらいつもよりにぎやかだった。
いくつかのグループに分かれてはいるが、
どうも同じ話題で盛り上がっているようである。
紳士クンが自分の席につくと、
笑美と華子がいつものように
「ごきげんよう」
と言いながらやって来たので、紳士クンも
「ごきげんよう」
と返してこう続けた。
「今日は朝から皆にぎやかだね。何かあったの?」
すると笑美がニコッと笑ってこう言った。
「何でも今日、このクラスに転校生が来るらしいで?」
それに続いて華子。
「しかもその方は、ついこの前までイギリスの学校に留学されていたとか」
「へぇ、そうなんだ」
頷く紳士クンに、笑美はこう続けた。
「そやけど何かの事情で、急きょ帰国してこの学園に通う事になったんやって」
「イギリス帰りの転校生だなんて、一体どんな方なんでしょうねぇ」
と華子。
二人とも他のクラスメイト達と同じく、
今日やって来る転校生に興味津々の様子だ。
そんな中紳士クンは、少し違う事を考えていた。
(それにしても、令お姉様の悪だくみって一体何だろう?
仮に悪だくみをしてるとしても、
ボクが巻き込まれるのだけはカンベンして欲しいなぁ・・・・・・)




