Prefetch@Happy Halloween
晴さんと過ごす五回目のハロウィン。五回も共にできるなんて感慨無量です。
毎回が特別で……その、毎回が♡Happy Halloween♡
でも、私も喜ばせたいんです。
というわけで、今回は朝一番からハロウィンの合言葉を仕掛けたいと思います。
いつも夜だし、晴さんも朝から来るとは思わない……筈。うん、完璧だね。
あ、晴さんが起きてきました。ではハロウィンスタートです。
「お、おはようございます。はっぴ──「ごめんね雫、今日朝から仕事入ってたの忘れてた。あっちで支度しちゃうからこのまま出るね! 朝宅配便届くからお願いね。行ってきまーす──」
…………はい。朝から軽率なことを考えた私がお馬鹿さんでした。
でもそうだよ、こんなんじゃ駄目だよ。
しっかりしなさい雫。あなたは晴さんの恋人であり、その……こ、婚約者なんですから。指輪を見て浅墓な考えを戒めなさい。
というわけで指輪を見て頬が緩んだので、引っ叩いて尾を締めます。
兎に角今出来ることをして、晴さんが帰られたら温かくお出迎え出来るようにしないと。
なんて考えている間に呼び鈴が鳴る。晴さんの言っていたお届け物だろう。
「お待たせしまし……」
「雫、ハッピーハロウィーン!」
およよ?どうして晴さんが愛らしい吸血鬼?メイクをして…………お仕事に行かれた筈では…………
「契約書をお持ちしました。判子、お願いします」
晴さんが渡してきた契約書は一行目から淫らな文字のオンパレードで、その時点で私の思考は弾け飛び、気が付けば押印をしていた。
「さて、これで悪戯はしちゃったし……契約書通り、とびきり甘いもの……いただいちゃおうかにゃ?」
五回目も♡Happy Halloween♡




