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甘々ショート 日向ぼっこ


 穏やかな冬晴れの休日。彼女はベランダ近くの窓を背に、小さな椅子に座り目を瞑っていた。


「ふふっ、何してるの?」


「日向ぼっこです。この季節はこうしていると心地良くて……」 


 その時は只々可愛いなと思い邪魔しないよう離れてコーヒーを飲んでいたけれど、少しずつ陽の光に嫉妬し始める私。

 机の上で頬杖をつき、反対の頬を膨らませてしまう。

 早く曇ってよね。その場所も名前も、私のモノなんだから。


 ◇  ◇  ◇  ◇ 


 願いが届いたのか、空は薄っすらと雲に覆われ始めた。 

 窓の外を可愛らしく覗き込む彼女目掛け、タオルケットを広げながら彼女諸共包みこんだ。


 数分、タオルケットの中で彼女を抱きしめていると……温まる彼女の理由が、陽の光から私へと変わり始めていく。


「あ、あの……晴さん?」


「ねぇ、私の名前……昔みたいに呼んでみて?」


「…………日向さん?」


「ふふっ、なぁに?」


 その瞬間、全てを理解した彼女は頬を赤く染め……そんな彼女に覆いかぶさるように抱き崩れると、彼女は私の胸の中で顔を擦り寄せ私の名前を何度も甘く呟いていた。


 日向ぼっこの語源、日向惚け在り。

 蕩けて惚気けて……日向惚っこ。


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― 新着の感想 ―
[良い点] とうとうお日さまにも嫉妬とは(笑) [気になる点] そのうち着ている服も嫉妬されそう [一言] 抱き締める雫からは日向のにおいw
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