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誇り高き騎士団  作者: _
2/7

七人の騎士団

 王の佇む一室で膝を寝かせて報告する。


「草原に潜んでいた悪魔は一匹残らず対処しました」


 ブラッドの報告に俺は心の中で頷く。


 黒と暗い色の小さき残党、俺達は確実に貫いた。


『よくやってくれた』


 王の言葉は続く。


『この活躍を見込み、次はある集落の守護を数日頼みたい』


「失礼ですが、理由を聞いても?」


「その地域の周辺にしか生えない植物があるという、娘が採取したいと言うのでな」


 王は「二人だけではなく、複数の精鋭もつける」と言った。


「分かりました」


「翌日、またここを訪ねよ」


「はい」


 静かな空間を後にした。



 カーペットが敷かれた通路を歩きながら次の仕事に身構える。


「面倒だ、はっきり言って」


「危ない目に合うとは限らないぞ」


「他にも何人か居るなら、サボってもいいかな」


「それはダメだろ」


「なんで?」


「俺だけダルくなるのはごめんだ」


「……善処する」


 その日はブラッドと酒を交わして一日を終えた。






 次の日、王の一室に二人で入ると静かに膝を着いて待つ男が五人居た。


『ようやく来たか』


 王の声に急いで最後尾でしゃがむ。


「本来なら娘の為に千人ほど投入したいところだが、娘は大人数を嫌っていてな、この数だけで対処してもらう」


 誰も反論はないみたいだった。


「一日は自由に過ごしてくれて構わない、二日目、三日目は剣を抜く準備をしてくれ」


「どの場所に向かえばいいのか、まだ聞かされていません」


「ヒリエドの小さな村跡だ」


「なっ……」


 誰かが声を漏らす。


『不満か?』


 驚くのは無理もない。



 ヒリエドは魔王のオーラに侵されている地域のすぐ近く。


 それが原因で村から人が消えた危険地帯に、俺達は七人で向かわされる。



「人数が、足りないと思われます」


 誰もが実力に自信があるわけじゃない。


 俺も、ブラッドも。


「我もそう思います」


 こいつも。



「とはいえ、娘のために快適な旅をさせてやりたい」


「しかし……」

 

「聖職者の儀式はさせる、最高の武具と共に娘を守ってくれぬか」


 王の頼みを断ることはできなかった。


 王に対する感謝はここに居る全員が感じている。


「御意」


「御意」


 この国も地位も役割も、元は王がくれた宝の一部。


 しっかり成し遂げたら問題ないこと。


「儀式の後、武器庫で装備を新調した上で向かうように」


 御意。



 それからしばらくして、聖職者の女性が入ってきた。


『騎士に加護を、騎士は結果を』


 左手に溜まった光がキラキラと俺達に注がれていく。


『ヴァエル・フリート』


 国の加護はキラキラと光りながら俺に近づく。


 握りしめると幻想的な強い輝きを残した。


「強くなった気がするぞ!」


「我らならやれる!」


「うおおお!」


 なんでもできる。俺もそんな気がしてきた。

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