接客業
「わあ!これ、にんにく入ってんじゃん!マジふざけんな!!」
俺は一口かじったおにぎりを、ゴミ箱に勢い良く突っ込んだ。
接客業を営む俺の天敵は、にんにく。
最近のコンビニおにぎりはどうだ!!!
アミノ酸調味料の一言で、にんにくを遠慮せずに入れてやがる!!
本当になってねえ!!
接客業舐めんなよ?!
夜中三時のコンビニに並ぶおにぎりはラインナップも少ない。
残っているやつでいいやと手を伸ばしたらこれだよ!!
本当にまったくにんにくってのはさ、本当に害悪だよ。
誰が食い始めたんだかしらねえけどさ、マジありえねえ。
うっかり接客相手が食ってた場合もけっこーダメージ食らうからな?!
マジなくなれよにんにく!!!
あんなもんいらねえよ!!!
だいたいあれが流通し始めたあたりからおかしなことになってんだよ!
伺う接客先接客先で、にんにくが置いてあってさあ!!!
マジ商売上がったりなんだよ!!!
今でこそぼちぼち接客業やれてるけどさあ!!
昔本当にきつい時期があったんだぜ?!
町中ににんにく。
家の入り口ににんにく。
ベッドの脇ににんにく。
お嬢さんの首元ににんにく。
狙って忍び込んだ家ににんにくがあったときの恐怖、分かる?!
もうさ、牙も恐怖で引っ込むってもんよ!!!
いやあ、あの時代、マジできつかったわ!!!
「俺もよー生き残れたわなあ…。」
しみじみ過去を振り返った俺は、ばさりと音を立てて、姿をこうもりに変える。
そして、にんにくのにおいのしない女子を求めて、闇夜へと飛び立った。
食べ物を粗末にしてはならーん!