5.手がかり 2
僕には戦闘における才能が欠片ほどもない。
その証拠に今だって、ただ特殊装備の速度を活かしながら小型の剣を振るっているだけだ。しかし、それでも速さはこの状況下においては正義となる。
大型スライムの動きは鈍い。
接敵し、斬撃を加えて、一度離れる。
それの繰り返しでも、相手が再生するまで十二分に時間があった。
「あとは、中心にある核を破壊するだけ!」
そして、いよいよ詰めの時がやってくる。
スライムの弱点は、その中に持っている核だった。
それさえ破壊してしまえば、奴らは魔素に還っていく。僕は加速装備のギアをトップに入れて、真っすぐに、一直線にその核へと猛進した。
スライムの核は赤い球体。
それに、深々と剣を突き刺した。すると――。
「よ…………しっ!」
今まで聞いたことのない魔物の断末魔が聞こえ、すべてが終わるのだった。
◆◇◆
後日、僕とフランはフリーナさんに呼び出された。
それというのも先日の大型スライムについての報告と、何よりも――。
「あぁ、待たせてすまなかった」
ギルドの長は、おもむろに部屋に入ってきた。
いくつかの資料を手にして、向かいのソファーに腰かける。
「まずは、大型スライムの件について感謝を述べたい。ありがとう」
「いえ、僕に出来る範囲でやっただけですから」
そんなことを言われるので僕は苦笑いを浮かべた。
しかしそれは本題ではない。彼女は資料に視線を落としながら、こう言う。
「では、単刀直入に話そうか」
そして、そう切り出した。
あまりにも淡々と、答えは告げられる。
「魔力型が、一致したぞ」――と。
隣に座るフランが、息を呑む音が聞こえた。
短くて申し訳ないです。
面白かった
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