2.特別な地位
都合により短いです。ご了承ください
翌日の朝のこと。
僕とフランは、フリーナさんに呼び出された。
冒険者ギルドの一室で、僕らは彼女を待っている。いったい何の話だろうかと、フランと会話を交わしていた。そうやって数分経った頃に、件の人はやってくる。
そして、開口一番にこう言うのだった。
「キミたちは、この街の英雄だ」――と。
思ってもみなかった言葉に、義妹と顔を見合わせる。
しかしフリーナさんの表情は真剣であり、同時に嬉しそうでもあった。そんなギルドの長の顔色に、思わず僕はこう訊ねようとする。
「あの、英雄って――」
「かのドラゴンを倒せる者は、そうはいないだろう。我々ギルドの最高戦力を投入しても、だ。それをキミたちは命を賭してやってのけた!」
が、遮られて矢継ぎ早にそう言われた。
そこでようやく、僕はフリーナさんが興奮していることに気付く。
「あの、フリーナさん。少し落ち着いてもらえませんか?」
「ん……あぁ、すまない。年甲斐もなく、はしゃいでしまった」
「は、はぁ……。そうですか」
どうにか彼女を落ち着かせると、そんな風に言われた。
フリーナさんはまだ二十五歳だから、年甲斐もなにもないと思うけど……。
「とにかく、だ。我々、冒険者ギルドからキミたちに、感謝を伝えたい」
そう思っていると、またも会話のペースを握られてしまう。
仕方なしに相槌を打ちながら、ちらりフランの方を見る。どうやら少女もまた、気圧されてしまっているようだった。
しかしながら、感謝を伝えるために、わざわざ呼び出したのだろうか。
そんな疑問を抱いていると、フリーナさんが――。
「そのついで、といっては何だが――二人には特別な地位を与えようと思う」
そんなことを言い出した。
「特別な……」
「地位……?」
僕とフランは口々にそう言って、顔を見合わせる。
『特別な地位』――ランク制の冒険者における、特別な地位とはなんだろうか。皆目見当がつかないので、僕は大きく首を傾げてしまった。
フランも、何やら訝しんでいる、という雰囲気。
しかし、そんなこちらの様子など知ったことではない、と。
「キミたちには、これから――」
口元に笑みを浮かべて、こう宣言するのだった。
「このギルドにおける、特務冒険者リーダーとなってもらう!」
それは、見たことも聞いたこともない。
僕たちだけに与えられた、特別な役職だった。
次回更新は20時頃!
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